・韓国語タイトル:우리들의 블루스 (ウリトゥリ ブルス)
・2022年韓国放送 / 2022年5月視聴
・出演イケメン:イビョンホン、チャンスンウォン、キムウビン、ペヒョンソン
・内容:チェジュ島を舞台に、豪華なキャストたちがそれぞれの人生を、オムニバス形式で主役としても脇役としても繰り広げられる。
総合評価5!
総合 ★★★★★
イケメン ★★★★
ときめき ★★★★☆
ストーリー ★★★★★
脇役 ★★★★★
久しぶりに出ました!5点満点~~~!!
Contents
私たちのブルース 見所満載!!
豪華すぎるキャスト
初めて番宣スチール写真を見たときに、「え?」とびっくりしました。主役級のビッグスターばっかり!キャストを見るだけで、NETFLIXが本気で取り組んでるドラマだなと分かります。出演料だけで、いったいいくらかかってるの!?
このドラマでは、母息子の関係、父娘の関係、父息子の関係、祖母と孫の関係、姉妹の関係、女同士の友情、男同士の友情、男女の友情 それぞれがとても繊細に、濃厚に描かれています。
済州島についての基礎知識
ドラマを見るにあたって、済州島に関する基礎知識があった方が理解が深まると思いますので、ちょっと説明しておきます。。
済州島は、日本でいうところの沖縄のようなリゾート地のような感じですが、歴史的には罪人の流刑地であった事。韓国時代劇の中でも、王族や両班(貴族)などがよく島流しされてますね。
ちなみに大阪のコリアンタウンとして有名な鶴橋に居る在日韓国人の方の多くは、済州島出身者が多いそうです。
風、石そして女が多いとして 「三多島」と呼ばれています。女が多いという事は、つまり男が少ない、という事なのですが、戦争や漁で遭難し、亡くなる男性が多かったため、男性が少ないそう。つまり、わりと最近までは、女性が生きていく為に複数の仕事をかけもちしたり、男性の妾になるケースも多かったよう。
今ではキラキラした観光地として有名ですが、なかなか複雑な事情をかかえた島のようです。
心打たれたシーン(ネタバレあり)
ここからはネタバレ有り注意!
そのへんの済州島事情を理解していただくと、ドンソク(イビョンホン)のお母さんであるオクドンがなぜ夫の友達の妾になる道を選んだか、理解できると思います。「生きていく事」がとても厳しい時代だったのだったんですね。。。
このドラマの一番の衝撃は、ヨンオクの双子の姉として、ヨンヒ(チョンウネ)が出てきたとき。
今までも韓国ドラマでは知的障がい者を役者さんが演じる事は今までもありましたが、「本物の」障がい者の方が女優として出演したのは初めてです。
インコヌナは実は、1年半くらいの短い間ですが、ダウン症を含む障がい者の施設で指導員をしていたこともあるのでとても感慨深く彼女のシーンを観ました。
ダウン症について知らない方も居るかもしれないので、簡単に説明しておくと、先天的な疾患で、つり目で鼻が低い特徴的な顔をしていて、知的障害も伴います。もちろんそれぞれの個性はありますが、歌や音楽が好きな明るい性格の子が多いように感じます。
ダウン症の説明はこれくらいにしておいて、双子の姉の存在のせいで、幼いときから苦労して、恋愛もうまくいかなかったため、ジョンジュンや島の人に必死で姉の存在を隠そうとした切ない気持ちも理解できるし、ジョンジュンが初めてヨンヒに会ったときに障がい者だと分かって、面食らってしまう気持ちも理解できる。でも率直に驚いた気持ちをヨンオクに話すジョンジュンの言葉に、心うたれました。
「ヨンヒさんに驚いた。ダウン症候群の人を初めて見たんだ、驚くことだってあるでしょう。傷つけたなら謝る、障がい者にどう接すべきか学んだことがないから、どうしていいかわからなかったんだ。二度と傷つけないから別れるって言うな」
その後もヨンヒに対して自然な態度で接するジョンジュンの姿も本当にかっこよかった。さりげない態度で冗談を交えながら会話する自然体で会話するところがすごく素敵だった。過剰に過保護じゃないというか。ジョンジュンのように、自分の生活の中に障がい者が居なければ、最初はびっくりして当たり前。福祉関係者や家族じゃなくても、日々の暮らしの中で障がいを持った人と普通に関わっていける社会になればいいなと思います。
日本もけして障がい者に対して理解がある社会だとは思いませんが、私の体感では韓国ではもっと差別意識が高いなと感じます。ただ、韓国って、今までもドラマが世論をリードしてきたので、今後もっと議論が進んでいくんだろうなと期待しています。(偉そうにすんません)
豪華キャストとロケーションにあぐらをかかずに、こういう重いテーマをエピソードの一つとして入れて来るなんて、ドラマの作り方は日本よりも断然進んでるなと感じました。今まで日本も障がい者差別をテーマにした映画やドラマはありましたが、こんな風にたくさん居る人間の中の一人、として描いたドラマはなかったと思います。
さらに、聴覚障害者として市場でコーヒーを売る仕事をしていたビョル(イソビョル)、彼女も本当に聴覚障害を持っているそうです。脇役でしたが、とってもかわいい女優さんでした。ヨンヒとビョルが楽しそうに遊ぶ姿もほほえましかった。
こうやって「本物の障がい者」をキャストと起用して、本当に新しい試みをしているなと感じたし、しかもこのドラマの中でたくさんあるエピソードの一つとして扱っているところがすごいなと思いました。でもこのテーマだけでも一つのドラマとして成り立ちそうですが、あえて、いろんな人生の中の一つとして描かれている事に、価値があるのかなと思います。
ウニ(イジョンウン)とハンス(チャウンウォン)の微妙な男女の友情や、女同士の友情に対しての葛藤も理解できたし、高校生カップルの決意、お父さんたちの関係、母に対する絶望と息子に対する愛情。どのエピソードに対しても、心にぐっと来るものがありました。
どの俳優さんたちも、本当に名優ぞろいなので、この人たち、本当に実在するんじゃないの?済州島に行ったらこの人たち暮らしてるんじゃないの??と思ってしまうほどです。どの役も絶妙でした。イビョンホンがドラマに出演しているのは久々にみましたが、やっぱりうなるほどの名優でした。大スターなのに、あのオーラの消し方!本当にそのへんに居る行商のおじさん!!w
ときめきパートとしましては、冒頭でヨンオクの海女姿でジョンジュンにウィンクしちゃうとこ。同性ながら、あまりのかわいさにズキュンでした。翻弄されてるのに冷静を保とうとするキムウビンも最高。実は今までキムウビンにはさほど興味がなかったのですが、このドラマで一気にファンになりました。
他にもまだまだ心を打たれたシーンがたくさんあったのですが、キリがないので、このへんで。
私たちのブルース 韓国ドラマあるある
韓国ドラマあるあるを見てみましょう。
14個該当!ラブコメだと該当数が多くなる傾向があるんですが、ヒューマン系のドラマなのにこれだけ該当はなかなかです。
このドラマを観終わって思ったのは、楽な人生なんてないんだろうなという事です。気楽に生きてそうなあの人もこの人も、みんな自分の人生の主人公として苦労したりトラウマと戦いながらがんばって生きてるんだろうな~と。
あと、終始誰かと誰かが大げんかして怒鳴り合ってるドラマでしたが、こうやって感情をぶつけ合うから理解しあえる事も多いんだろうなと思います。Twitterでも呟きましたが、IKKOさんが韓国を好きな理由のひとつに、感情の力を感じるとテレビでおっしゃってました。感情の力を確かに感じたドラマでした。
最後に、素敵だと思ったセリフを一つ抜粋。
「幸せとは、見つめ合って笑い合うこと」
恋人や夫婦じゃなくても、家族や友人、どんな関係でも出来て、幸せは身近で、そして人とのかかわりの上にあるんだなと思わせてくれるセリフでした。
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